クラウド会計の比較

column
クラウド会計の比較
クラウド会計
クラウド会計を選ぶ際のポイント

クラウド会計を真に使いこなすためには、クラウド会計を比較して、事業にとって最も適切なクラウド会計を選択することが重要です。
クラウド会計ソフトは、主要3社(freee(フリー)、弥生会計、マネーフォワードクラウド(MFクラウド))でシェアの8割以上を占めていることと、クラウド会計ソフトを選ぶ際のポイントは、前回のコラムで確認いたしました。

クラウド会計を選ぶ際のポイントをおさらいすると、

1. 使用している銀行口座、クレジットカード、電子マネー、POS等との自動同期に対応しているか?
2. 自社の事業・経理に必要な機能が備わっているか?
3. UIは優れているか、画面は見やすいか、分かりやすく使いやすいか?
4. 料金は適正か?機能を踏まえた上でのコストパフォーマンスは優れているか?
5. サポート体制は充実しているか?
6. 確定申告との連携はスムーズか?税理士・会計士が対応しているか?

の6点でした。

今回は、このポイントを中心に、主要3社(freee、弥生会計、MFクラウド)のクラウド会計ソフトの機能や価格の違いを、実際に細かく比較していきましょう。いずれのクラウド会計ソフトも無料利用期間がありますので、迷ったらとりあえずアカウントを作成してみるというのも良いかと思います。

freee(フリー) ※個人・法人共通

やよいの青色申告・白色申告 ※個人

弥生会計オンライン ※法人

MFクラウド(マネーフォワード) ※個人・法人共通

クラウド会計ソフトの比較 ※2019年5月時点
freee(フリー)
会計・確定申告
やよいの白色申告
やよいの青色申告
弥生会計オンライン
マネーフォワードクラウド
会計・確定申告
WEBサイト
初期費用 無料 無料 無料
【個人】
年間料金(税抜)
スターター9,800円
スタンダード19,800円
プレミアム39,800円
【白色申告】
フリー0円
ベーシック8,000円
【青色申告】
セルフ8,000円
ベーシック12,000円
トータル20,000円
ライト11,760円
パーソナル23,760円
プラス35,760円
【法人】
年間料金(税抜)
ミニマム23,760円
ビジネス47,760円
セルフ26,000円
ベーシック30,000円
スモール35,760円
ビジネス59,760円
無料期間
割引
30日間無料 【個人】
フリー1年間無料
ベーシック1年間半額
【法人】
セルフ2ヶ月間無料
ベーシック2ヶ月間無料
30日間無料
サポート 電話△
メール◯
チャット◯
※電話サポートはプレミアム・ビジネス以上
電話△
メール△
チャット✕
※電話・メールサポートはベーシック以上
電話△
メール◯
チャット◯
※電話サポートは一部対象外
金融機関連携
自動同期
銀行◎
クレジットカード◎
レジ◎
通販◎
電子マネー△
アフィリエイトSP△
クラウドソーシング△
オークション△
外部サービス◯

直接連携同期不可
外部帳簿サービスZaim・MoneyLook・Moneytree等を利用してこれらと連携同期させる
銀行◎
クレジットカード◎
レジ◎
通販◎
電子マネー◎
アフィリエイトSP◯
クラウドソーシング◯
オークション◯
外部サービス◎
請求書作成
無料

やよいの見積・請求書
インストール型ソフト
5,400円〜

MFクラウド請求書
月額500円〜
バックオフィス
効率化

売掛買掛管理・経営状況・経費精算・電子帳簿機能等

やよいの販売管理
インストール型ソフト
5,400円〜

レポート共有・経営状況・経費精算・電子帳簿機能等
在庫管理
外部連携のみ
ZAICO

やよいの販売管理
インストール型ソフト
5,400円〜

外部連携のみ
fram
給与計算
年末調整
社会保険
労働保険

人事労務freee
※入退社手続・社会保険・労働保険・電子申告による年末調整まで対応

やよいの給与明細
※クラウド会計では非対応

MFクラウド給与
※入退社手続等には一部非対応
記帳
効率化

記帳の自動化や、レシート読取り、学習機能により効率化

基本的に外部帳簿サービス等との連携が必要となる

記帳の自動化や、レシート読取り、学習機能により効率化
バックアップ体制
分散型

マイクロソフトAzure

トリプルバックアップ
Windows
Mac
対応

両OSに対応

両OSに対応

両OSに対応
UI
使いやすさ

画面が見やすく、ガイド表示付きで経理初心者にも分かりやすい
経理初心者向き便利な機能が豊富なため経理経験者でも慣れると便利

画面はやや見難いが、勘定科目に大まかなガイド表示有り
インストール型の弥生会計利用者は移行しやすい

画面はみやすいが、ガイド表示が無いため勘定科目や使い方について自分で学習する必要有り
複式簿記の知識があった方がよく経理経験者向き
補助簿
仕訳入力

補助簿がないため経理経験者には仕訳管理・帳簿管理がしにくい
タグ付けによる管理方法のため便利な面も有り

一般的な仕訳入力に対応
インストール型の弥生会計利用者は移行しやすい

一般的な仕訳入力に対応
複式簿記の知識があった方がよく経理経験者向き
確定申告(個人)
確定申告/電子申告可
※作成画面も分かりやすく、スマホにも対応

確定申告可
※電子申告はWeb版のe-Taxが必要

確定申告可
※電子申告はe-Taxソフトのインストールが必要
消費税申告(個人)
消費税申告/電子申告可
※作成画面も分かりやすく、スマホにも対応

消費税計算のみ対応
※消費税申告はインストール型の弥生会計が必要

消費税計算のみ対応
※消費税申告は未対応
確定申告(法人)
申告freeeにより対応可
※申告可能な帳票は限定的かつ利用料が高額(1法人で20万円(税抜)/年間)

法人の確定申告・税務申告には未対応
※外部の税務申告ソフトの利用が必須

法人の確定申告・税務申告には未対応
※外部の税務申告ソフトの利用が必須
税理士・会計士
対応

認定アドバイザー制度

パートナーシップ制度

公認メンバー制度
占有率
市場シェア

43.7%

28.4%

10.5%
リンク クラウド会計ソフト
freee(フリー)
やよいの青色申告
やよいの白色申告

弥生会計オンライン
MFクラウド会計
MFクラウド確定申告
(マネーフォワード)
金融機関との連携・自動同期機能の比較

まず、金融機関との連携・自動同期機能の違いについてですが、弥生会計だけ金融機関との連携・自動同期機能がなく、外部帳簿サービスZaim・MoneyLook・Moneytreeの利用が必要となる点に気づきます。つまり、弥生会計を利用する場合には、外部の帳簿サービスで帳簿を作った後、当該データを会計ソフトと同期させることが必要となります。弥生会計では、この方式を「YAYOI SMART CONNECT」と称していますが、単純に、クラウド会計の最も大きな特徴のひとつである金融機関との連携・自動同期機能が不足しているということであり、この点、弥生会計は大きくマイナスであると言えます。
freee、MFクラウドは、ほとんど同程度の金融機関・クレジットカードデータの取り込みが可能ですが、地方銀行や、電子マネーなどの取り込みについては一部違いがありますので、使用前にメインで使用している銀行・クレジットカードの利用できるかという点は必ずチェックが必要です。
余談ですが、クラウド会計の性能を最大限に発揮するためには、事業上の支払いには、現金の使用を極力控えることが望ましいです。現金の支払い、売上については、クラウド会計においても、手入力の処理が必要となってしまいます。出来る限り、銀行振込やクレジットカードを使用するととにより、手入力の手間を省略することが可能となります。

事業効率化・経理効率化・バックオフィス効率化機能の比較

次に、その他の自動同期以外での機能面での違いについてです。この点も、弥生会計の違いが特徴的です。弥生会計はインストール型のソフトウェア販売が主な事業のため、事業の効率化や、バックオフィスの効率化については、別途、インストール型のソフトウェアを購入し、使用する必要があります。この点、ソフトウェアの種類は豊富ではありますが、オンラインとの連携が十分でない等の問題も多く、事前に、どのような機能が必要となるかを検討しておいた方が良いでしょう。
freee、MFクラウドについては、請求書管理、販売管理、売掛金管理、電子帳簿などの機能が標準で備わっているか、または、上位プランにすることにより利用が可能となります。
freeeでは標準で請求書の管理システムが備わっており、電子帳簿などの使いやすさの点からも、機能面では、freeeがやや優位と言えるかと思います。

UI・使いやすさの比較

ユーザーインターフェイス、使いやすさについては、好みが大きく分かれるところかと思います。
弥生会計オンラインについては、従前よりインストール型の弥生会計を利用していた方には使いやすく感じるでしょう。
はじめて会計ソフトを導入するという方には、freeeかMFクラウドが使いやすいと感じるかと思います。一般に、freeeは経理初心者向け、MFクラウドは経理中級者向けと言われています。これは、freeeでは、家計簿をつけるような感覚で、お金の動きの種類を選択していけば仕分けが自動的に作成されるような作りとなっているからです。これは経理経験者からすると、単式簿記という方式に近く、複式簿記の知識があると使い難いと感じると言われています。一方で、MFクラウド会計は、freeeよりも複式簿記の入力方式に近く、経理経験者から評判が高いと言われています。freee、MFクラウドのいずれも、見やすく、複式簿記での入力も、単式簿記のような入力も可能であり、どちらを使用しても困ることはないかと思いますので、使いやすさの点については、無料期間を利用して、実際に使ってみることが最善かと思います。

料金・価格の比較

次に気になる料金・価格の比較です。三社三様、プランごとに料金・価格が異なっておりますが、おおよそクラウド会計の利用は、個人では年間1万円〜2万円程度、法人では年間2万円〜3万円程度、初期費用は無料となっていることがわかります。機能面やサポート面での違いがあることから、単純な価格の比較はできませんが、電話サポート有りのプランでは、弥生会計のベーシックプランが一番安く、電話サポートが不要であればfreeeかMFクラウドが安くなるかと思います。それでも価格については数千円〜多くとも年間数万円程度の違いですので、あくまで、機能面やサービスの面でクラウド会計ソフトを選択することが良いかと思います。

サポート体制の比較

サポート体制については、電話サポートが最も充実しているのが弥生会計です。一方で、弥生会計はチャットでのサポートはなく、また、インストール型のお客さんも沢山いることから、待ち時間が長くなったり、質問に対する反応が悪かったりすることが多々あるようです。普段からPCをよく使用する方であれば、freeeかMFクラウドのチャットサポートがレスポンスが最も早くおすすめです。また、freeeでは、選択しているプランに応じて、高額のプランではサポートのレスポンスが早いなど、サポートの反応の良さが異なってくるようです。

確定申告・税理士・会計士対応の比較

最後に、確定申告・税理士・会計士対応の違いについてです。この点、いずれのクラウド会計ソフトも確定申告に対応してはいますが、法人における複雑な確定申告については、通常、確定申告用のソフトが別途必要となることから、税理士・会計士に依頼をするということが一般的です。個人事業主においては、クラウド会計ソフトのみで確定申告書の作成を完結することも可能ですが、経理処理のように自動的に作成される訳ではないため、確定申告書の作成経験がない場合、かなりの手間と時間がかかることが想定されます。また、消費税の申告に対応しているのは現時点ではfreeeのみとなっており、弥生会計、MFクラウドでは消費税申告書の作成はできませんので、個人事業主については消費税が発生する1,000万円以上の売上となった場合には、税理士への依頼も検討の必要が出てきます。
また、法人の確定申告、決算、税務申告については、いずれのクラウド会計ソフトも、法人・個人ともに、税理士・会計士への依頼が推奨されており、それぞれ、提携の税理士・会計士を用意しておりますので、顧問の税理士・会計士がいない場合や、全く、税理士・会計士のあてがない場合には、ご利用を予定しているクラウド会計ソフトのサポートへ相談をすることにより、提携の税理士・会計士を紹介してくれます。クラウド会計ソフトに対応できる税理士・会計士はまだまだ少ない現状ですので、クラウド会計ソフトを導入する際には、税理士・会計士への依頼を含めて、予め検討しておくと良いでしょう。

お問合せはコチラ

お問い合わせ

contact

contact

お問い合わせ

資料請求・メールでのお問い合わせ、
見積依頼はこちらからお願いいたします

お問い合わせ見積依頼